幸い  4




初めて聞いた、はっきりとした意思表示。
でも、それが・・・抱きたい?
僕を?
抱かれたって、良い。
本当は、そうして欲しかった。
でも、怖い。
したことないんだから、当然だよね?
それとも、したことあるの?
・・・・・誰と?
僕は俯いたままの頭を見て、はっきりと聞いた。
やったこと、ほんとにあるの?
身体がビクッと動いて、少し、頭が上がる。でも、僕を見ない。
「・・・・それは」
あるんだ。
ないなら、はっきり言えるよね。そう、あるんだ。
「その、出会う前で・・・」
僕と、出会う前だから?
そんな性格なのに、出来たんだ。
それって、どうやったの?
自分から、したいって、したの?
それとも、してって言われて、したの?
「・・・それは・・・そんなこと、聞くな」
それって、一番重要なとこなんだけど。
すぐに出来るなら、何で僕にはなにもしなかったの?
さっきみたいに、押さえつけてしたら、僕、何にも抵抗出来ないのに。
「それは・・・したくない」
どうして?
僕って、そんなに魅力ない?
ねぇ、前の子と、僕、どっちのが好き?
僕は俯いたその顔に、身を乗り出して、訊いた。


to be continued...



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