幸い  2




なんだか、息苦しくて目が覚めた。
まだ、部屋は暗くて、夜中なのかな、って思ったら、目が合った。
僕が目を覚ましたのに、驚いた顔をして、手を引っ込めた。
僕は手が伸ばされていた先を見る。
身体を起こして、両腕を後ろにして支えて、自分の身体を見る。
カーテン越しに月の光が入って、その状態はよく解った。
パジャマ代わりにしてる、Tシャツが上まで捲れて、ズボンも、ギリギリまで下がってる。
俯いたままの相手を見れば、何をしてたかなんて、解り切ってる。
「・・・ご、ごめ・・・」
誤るの?認めるの?
寝てる僕に、いたずらしてたの?
僕は服を戻して、睨み付けた。
したいならしたいって、どうして言わないの?
言わないくせに、こんな風にコソコソして、僕のこと、どう思ってるの?
「・・・・・・」
僕が責めても、俯いたままで、僕は余計に胸が苦しくなって、ベッドから降りた。
「ど、どこに・・・」
シャワーを浴びるんだよ!
身体が、気持ち悪い!
記憶はないのに、身体に感触がある。残ってる。
覚えてる。
それを洗い流したい。
ユニットに入って、シャワーを出してから服を脱いだ。
その時、閉めたドアが開いた。
「・・・・って、」
低い声で、何か言ったけど、聴こえない。
「・・・気持ち悪いって・・・どうゆう意味だよ」
そうゆう意味だよ!
何にも言わないくせに、こんなこと最低!
睨み付けた僕を、いきなり壁に押し付けて、腕を取られた。
裸の僕に、すりよってくる身体が・・・
「・・・ヤりたいって言えば、いいのかよ」
ヤダ!もうやらせない!
そこどいて、手、離して・・・!
言っても、離してくれなくて、僕の抵抗なんか無視した手が、僕を弄って・・・
声なんか、出したくなかったのに。
涙だって、出したくない。こんなの、ヤダ。
「・・・声、出せ」
首を振って、反抗するけど、手が動くたびに、声が出て。
狭いユニットの中で、シャワーの音より僕の声が響いて。
僕だけ、その手でいかされてしまった。
その状態を見て、正気に戻ったみたいな顔して、頭を下げる。
「ご・・・ごめん・・・!」
悪いと思ってるの?
僕をこんなにして、また、謝って。
謝ってすむと、思ってるの?


to be continued...



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