試練  7




俺の気持ちなんて、もう解ってるはずなのに、なんでそんなに確認するんだ。
言葉にするのが、一番苦手なんだよ、俺。
「・・・いや、ちゃんと、言って」
肩を押し付けた俺の手を、素早く払われた。
それから、キツイ目で俺を睨む。
俺が戸惑っていると、俺の下から抜け出して、靴も脱いで部屋に上がった。
俺の手を引っ張ってゆくので、俺も慌てて靴を脱いで上がる。
薄暗いワンルームの部屋で、すぐにベッドに上がり、自ら服を脱ぎ始めて、俺が慌てた。
脱いだシャツを俺に投げつけて、
「するんならすれば?」
睨んだ目が、濡れている。
「したいんでしょ?すれば?でも、したら出て行って!」
唇が震えていた。
目から溢れたものを、零さないように、唇を噛み締めている。
細い体が、一層、寒そうに見えた。
俺は、その身体を抱きしめた。
俺の腕に、すっぽりと収まってしまう身体が、震えていた。
「・・・っなんで、するの・・・?なんで、したいの?」
したいだけ?と、小さく呟かれて、俺の服が濡れたのが判った。
くそ。
やばい。
ごめん、ほんとに、・・・ごめん。
好きだって、言ったらいいのかな。
言うだけで、俺のものになってくれるの?


to be continued...



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