試練  6




謝った。
座り込んだ前に膝をついて、頭を下げた。
暫く呆然としていたその顔が、険しくなって、俺を睨む。
「・・・なんで?」
なんで、したか?ってこと?
したかったから・・・そうはっきり言えたら、こんなに苦労してない。
俺は俯いて、言い訳を考えた。
「なんで、謝るの?」
・・・・それは。
え?そっちの質問?
謝んなくて、良かったのか?
それって・・・
「謝るのって・・・したいと思ってしたわけじゃないから?」
俯いたその顔が、俺の心臓を直撃した。
俺は玄関を上がったフローリングに思わず押し倒して、びっくりした顔を見た。
やばい、変なヤツになってる。
息荒いし、身体押さえらんないし。
でも、こんな顔されて、引けない。
もう一度していいか、一応訊いた。
「駄目」
 
  ・・・・・・やっぱり、駄目だよな・・・

落胆して、身体を起こそうとした俺に、
「ちゃんとゆって」
その袖を掴んで、俺を真剣に見るその目が、
「・・・なんでするの?ちゃんと、言って?」
・・・・・・・・・
なんでって・・・そんな顔で、そんな・・・
言わなきゃ駄目か。
解んないわけないよな?
俺、もう限界なんですけど。


to be continued...



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