愛し愛され  ―恭司―  5




本心を言ったつもりだ。
真剣に言った。本気で、一生かけて見せてやるつもりだった。
コウキさんは、信じていない。
年上のくせに可愛くて、意地っ張りで、強くて弱い。
もうマジで、苦しいくらいに好きだ。
俺に抱かれて泣かされながらも、信じてくれない。
「あぁ・・・っそ、こ・・・っやあぁっ」
「・・・ここ? 良い・・・?」
「んっ、あっ、ああっだめ、も・・・っ」
「まだ・・・いくなよ、もっと・・・したい」
「だめ・・・っも、あぁ・・・っ」
快楽に弱いコウキさんに、嫉妬してしまう。
こんな身体で、すげぇ嬉しいけど、でも、俺がしたんじゃない。
こんなになるまで、どれだけ抱かれた?
そう思うと、もっともっと虐めたくなる。
艶を放つこの身体。
マジで・・・陥落しそう。
俺の腰に脚を絡めて、もっと奥にと誘う。手を伸ばして、身体を締め付ける。
やばいって、もう・・・
「いや・・っも、はや、く・・・っ」
「コ、ウキさん・・・っ」
そんな切ない声出さないでくれ。
「俺の、名前、呼んで・・・?」
「あ、あぁ・・・っ」
「コウキさん、恭司って、言って?」
コウキさんが正気じゃないのは、わかってるけど。
それでも言って欲しい。
ちゃんと、俺を欲しがってほしい。
「お願い、コウキさん・・・」
「あっ、やっ、」
情けないのなんか解ってるけど、コウキさんを手に入れるためなら、なんだってするよ。
だから名前、呼んで。
コウキさんは耐え切れなくなったのか、喘いでいる声で言った。
「あ・・・っき、きょう、じ・・っ」
「コウキさん・・・」
「恭司・・・恭司、早く・・・っ」
「うん・・・」
涙が出そうだ。
俺って、こんなに弱かったっけ?
「あっ、きょ、恭、司っあっ、あっ」
「コウキさん・・・!」
早くなる律動に、コウキさんが答えてくれる。
ああほんと、絶対手放せれない。
こんなに気持ち良いの、コウキさんじゃなきゃ有り得ない。
後で正気に戻っても、もう無かったことには出来ないからな?

俺の本気を一生かけて、見せてやる。


fin



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