愛してなんていないくせに  3




テレビで来年の干支の話がしていた。
「この犬かわいい・・・」
茶色い子犬だ。
一生懸命見上げて愛情が注がれるのを待ってる。
どこかで見たことあるような・・・デジャヴ? どこで?
後から腰を抱えられて、胡坐をかいたひざの上に座らされた。
視線はテレビに向いたままだけれど、気にしないらしい。
Tシャツの裾から手が滑り込んでくる。
「欲しいのか?」
首筋から口付けをして、手は薄い胸板を弄ってる。硬くなる突起を執拗に弄られて、視線が細くなる。
「・・・っん・・・買ってくれるのか・・・?」
「俺が飼うのか?」
「俺に世話しろっての?」
眉を顰めて、肩越しに振り返った。
待っていたように口を塞がれる。柔らかい舌はいつも俺をキモチヨクさせてくれる。手が内股をなぞって、中心に向かう。
「んっ・・・」
「俺は飼えない」
濡れた唇を嘗めながら言われた。
「なんで・・・」
「もう一匹飼ってる」
ズボンの中に入ってきた手は慣れたもので、すぐに俺をその気にさせる。
「・・・手間がかかる獣を一匹」
それってさぁ・・・俺のこと?
ペットを飼う意味ってなに?
主人は無料奉仕して、ペットは何を返すんだ?
「あ・・・」
俺は思い出した。
と言うより解った。
「なに?」
「なんでもない・・・」
俺はセックスに熱中した。
でも頭の隅にある、あの犬の目。

アレは俺だ。

愛情だけを待ってる、何の意味も持たない俺だ。
なぁ、
どうしたらお前に一生飼ってもらえるんだ?


to be continued...



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