極悪外道  5




「え? 松島と春杉が?」
二人が付き合ってるって、今、言ったか?
鹿内は、違う、と否定した。
「付き合ってるんじゃなくて、やってる」
「や・・・?」
何を? て、考えて、わかった。
俺が解ったのも、鹿内も解った。
顔に出た。
「な・・・なんで・・・っ」
「さぁ・・・なんでだろうな」
鹿内は惚けてみせて、笑って歩いて行った。
どうゆう意味?
解らないから、夜、夏流に聞いてみた。
「付き合ってないのに、できるものなのかな」
煙草を銜えたまま、見つめられて、俺は少し考えた。
自分の行った言葉を、だ。
「あ・・・いや、別に・・・変な意味じゃなくて・・・っ」
戸惑った俺を、やっぱり嫌な顔で笑う。
「出来たら、どうなんだ? それともお前、他の男としたいのか?」
「ちが・・・! 違う! したくない!」
「思いっきり否定どうも?」
「ちが・・・!」
否定しても、肯定しても、どうしたらいいのか解らない。
違うんだ、ほんと。
ただ、できるのかなって、思っただけで、深い意味はない。
「まつ、松島と、春杉が・・・!」
困惑した俺の声に、解ったように頷かれて、
「ふうん・・・」
「え? わかんの? なんで?」
訊いただけなのに、一番嫌な笑みをされた。
「・・・自分で試してみればいい」
「・・・・・・はい?」
「他の男と、付き合ってない男として、お前がどう思うか、試してみればいい」
「・・・・なに?」
夏流は、解いて机の上に投げてあったネクタイを取った。
「視界を無くせば、誰にされてるかなんて、わからないだろう?」
それって・・・・・
それって、どうゆう意味?


to be continued...



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