極悪外道  3




「夏流ってさ・・・俺のどこがいいの?」
暗闇の中で、息を落ち着けてるときに、ふと出た台詞。
頭がまだぼうっとしてて、身体が上手く動かない。
一度終えたばかりの、まだ熱い身体。
天井を見る視界に、少し煙が漂うのは、煙草の煙のせいだ。
それを見る目も、少し虚ろだ。
部屋に響いた声が、耳に届いて、それが自分の声だと解る。
解って、一気に覚醒した。
「あ・・・っ、や、いや、えっと・・・!」
顔が熱い。
さっきまで、夢中になってたからじゃない。
「あ・・・!」
まだ俺の中にいた夏流が、存在を誇張する。
「ま、待って、いまの、なし!なんでもない!」
声に出して言うはずじゃなかった!
そんなこと、聞けない!!
なのに、俺を見下ろす目が、すでに意地悪く哂って・・・
「顔」
一言、答えた。
「え?!」
反応した俺に、煙草を消しながら覆いかぶさって、
「あと、身体・・・」
「から・・・っああッ」
大きく、揺らされた。
「ま、待って・・・!まだ」
「感情がすぐでる顔も、触っただけで反応する身体も、それに・・・これだけで、こんなになる、ここも・・・」
「や、やだ・・・っあっ」
「お前卑怯だぞ」

何が?!
お願いだから、擦り付けるの、止めて!
まともに話せなくなる!

「俺にばっかり言わせて・・・お前は?」
「なに・・・っあ、んん・・・っ」
「俺の、どこがイイんだ」

そんなの・・・そんなの、やだ!
今、答えらんない!

「答えろよ・・・ほら」
「あ、・・・んっ」
「コレ、だけ?」

そんな目で、見るな!
そんな声、出すな!
お前のほうが卑怯だろ!


to be continued...



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