純情可憐  1




縛り上げた。
その細い手首に、紅く痕が残ってしまっている。
罪悪感よりも、所有物の証と感情のほうが上回った。
あの男が関わると、いつも押さえが効かない。
どうしても泣かせてしまう。
「も、やだ・・・っはやく、終わって・・・っ」
縛った手を押さえ込んで、只管中に押し込んだ。
泣きながら言われても、終われるはずがない。
ますます煽られるだけだ。
「ちょっと、いい声だなって、思っただけだ」
だと?いい声だと?
俺の前で、そんなことを言うのか?
「やだやだ!もうや・・・っ言わないで・・・!」
「なんで・・・欲しいんだろ?」
「・・・っ」
俺が耳に声を吹き込むだけで、こんなにも啼くのに。
身体中で、震えているのに。
「も、終わって・・・!」
「ここで?止めれるのか?止めていいのか?」
「あ・・・!」
「・・・困るのは、お前だろ。別に、独りでして見せてくれるってんなら、別だが」
「・・・っ」
掠れた声で、悪態を吐く。
それさえ、俺には欲情させられる。
あんな男のことなんか、二度と口にするな。
夜明けの光を感じながら、ベッドに死んだように倒れ込んでいる
細い身体を見つめて、
「・・・今度はこれくらいじゃ済まさないからな」
聞こえてない耳に、囁いた。


to be continued...



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