極悪外道  9




やられた。
夏の合宿中、次の日の午前中が部活の中休み。
それを利用して夏流の部屋に行った。
その、明けた昼。
部室で着替えているとき全員の視線が集中した。
「・・・なに?」
「お前・・・朝、鏡見てきたか?」
しかめっ面の部長に言われて、顔に触る。なにか、付いてた?
「違う・・・! もういい、お前今日は一日見学!!」
「ええ?! なんで!」
理不尽だ、と憤っても誰も味方してくれない。
さっさと体育館に向かう部員の中、残った鹿内が、
「鏡、見てみろよ・・・顔じゃなく」
指された身体を部室の鏡に映す。着替えている途中で、上半身は何も着ていない。
目を疑った。
「な、にコレ?!」
首筋から肩、腕までに広がった・・・・・・あの男の痕。
どうりで今朝楽しそうに見送っていたはずだ!!
どうりで昨日、優しくするから、なんて言って次の日部活があるのにやったはずだ!!
もちろん、それは本当に気遣うようにされたけど――――
それとこれとは別だ!!
あのクサレ外道、許さないからな!
「まぁ、今日は一日岡崎と大人しくしてろよ」
言いながら鹿内もみんなの後を追う。
岡崎もどうかしたのか?

  いいや、つーかコレ、いつ消えるんだ?!


to be continued...



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