極悪外道  8




「はい」
あっさりと渡された小さな小箱。
手のひらに納まる箱には、シンプルに包装がかけられていた。
「? なに?」
変わらない表情で振り向かれて、
「誕生日だろう、お前の」
言われて、気付いた。時計を見ると日付が変わっている。
驚いたけれど、嬉しさも隠し切れなくて、
「あ・・・ありがと」
赤い顔を隠すように俯いてその箱を開けていいか訊いた。
「お前のものだ」
言われて、綺麗なラッピングを解き、中から出て来たものに・・・
「・・・・・・・これ、なに」
「指輪。本当は首輪とどっちにしようか迷ったんだが」
訊いているのはそんなことじゃない。
つーか、首輪ってなんだ!!
「こ・・・っこんなの、貰えないよ!」
俺でも解るこのブランド。
一見、シンプルに見えるが内側にはデザイナーの気合の入った模様と。
・・・・・宝石。なんのイシ? これ。知りたくないけど・・・
「いいからつけろ。牽制にもなる」
「やだ! 怖い!」
値段を考えるととてつもなく、怖い。
俺はお前と違って庶民だ! 
「付けろ・・・お前のために、選んだんだ」
「・・・・・・」
そうゆうこと、言わないで欲しい。
ずるい。
「首からかけるか? ・・・文字通り首輪だな」
「・・・最低」
でも、莫迦なこと言ってないでさ、本当に、どうしよう?
あんたの誕生日だって、来月じゃん。
俺、何返せばいいの?
「来月まで待てるか」
「なに?」
「今すぐ、返せよ」
伸びてきたその手で、何がしたいのか解ったけど。

  ・・・・・あんたほんっと、最低だな!


to be continued...



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