極悪外道  7




目を開くと、ベッドに凭れ掛かって煙草を銜えている姿が映った。
手に、何か書類を持って、それを凝視している。
俺の視線に気付いて、顔を向ける。
それから、笑った。
「気付いたか?」
気付いた?
俺、寝てたんじゃ、ないのか?
昨日を思い出してみる。
身体がだるい。腰が痛い。腕が上げれない。
「・・・・・・」
そうだ、昨日は・・・・
思い出して、ベッドに顔を押し付けた。
顔が赤い。絶対に。
あんなこと! あんなことするなんか!最低だな、本当に!
途中から記憶が曖昧だ。
意識をそこで飛ばしたんだろうか。
「すごかったぞ、お前?」
「え?」
「でも俺としては、意識があるときにして欲しかったが」
「・・・は?」
俺、一体何した?
俺の表情で読み取ったのか、ニヤリ、と笑う。
うわ、嫌な予感が・・・
「俺の上に自分から上がって、何度も腰振って、ずっと俺に突けって泣いて、止めるなって請って」
「・・・・・」
「イッてからベッドに倒れこんで、足を開いてまた、誘って、最後には俺のほうが・・・」
「で・・・っデタラメ言うな!」
真っ赤になって叫んでも、効果はない。
判ってるけど、このふざけた言い分を止めたい。
「出鱈目じゃない。事実だ」
「そんな・・・っそんなこと、俺は・・・覚えてない!」
「覚えてない?」
目を細めた視線に、俺は身体が固まる。
灰皿に煙草を押し付けて、
「都合のいい脳みそだな。・・・まぁ、俺としても、理性がないのは物足りなかったが」
「・・・・は?」
「もっかい、してやるよ。同じように」
「え・・・っ」
圧し掛かられて、怖いくらいの笑顔を向けられた。
「大丈夫だ。意識飛ばしそうになっても、ちゃんと引き戻してやるから」
「・・・・・っ!!」
冗談じゃない!!
昨日、どれだけされたかなんて、この身体を見れば解る!

だからもう、許して。


to be continued...



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