最悪な男  5




「貴弘、順位上がったんだ」
俺の手元の成績表を見て喜んでくれる友達に対し、全然笑えなかった。
ムシロ、不機嫌に近い。理由は、はっきり解ってる。



「お前・・・なんでそんなに馬鹿なんだろうなァ・・・」
煙草の煙を目で追いながら、呟かれた。数学の低空飛行を知られた。
夏流にかかれば大概の人間が馬鹿だ!と、言い返せなかった。
呆れた後で、ベッドに付かされた。
どうしても公式を、定数を理解できない俺を・・・徹底的に、教え込まれた。
・・・身体に。
「やだっ・・・あ・・・!」
「やだ、じゃない。答えは?」
「・・・っ解んない・・・!」
何度も何度も揺らされて、中で熱くなってるのがはっきり解って、それでも解放させてもらえない。
耳元で囁かれるのは、いつもの厭味でも気持ちイイ言葉でもなく、数学の公式だけ。
答えれない俺を置いて、一人でいって、俺はまた、中にいる夏流が高まるまでずっと攻められて、泣いても、覚えるまで許してくれなかった。
最後、なんて答えたのか、覚えてない。
それくらい、泣かされた。



結果を持ってきた俺に、その結果が判っていたかの様に笑う。
「俺のおかげだろ?」
「・・・・・・・」

  ゼッタイ、感謝なんかしない!!


to be continued...



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