御屋敷のお嬢様 プロローグ  本業探偵の雑用業務





皆さん初めまして!
椿です。つばき、ていいち、です。
歳は29、独身です。独り身です・・・どうしてでしょう、この僕が。
こんなに女の子ダイスキなこの僕が。
きっと・・・それは世の中の貴方が美しすぎるせい。
一人に絞るなんて、僕には出来ない相談だ。探偵として、決して解けない問題でもあるね。
へぶっ! 
・・・ううう、酷いよ星、裏拳なんて・・・なんて主人を敬わない助手なんだ・・・

話を戻そう。
そうです、僕は探偵。自称じゃないよ。本当に事務所も開いてるんだ。
木造二階建てのアパァト。そこに自宅兼事務所がある。
難なのは、一階に家賃を取り立てに来る大家さんがいるということ・・・
どうしてあんなのが大家なのかな。
僕って、凄く不幸な星の下に生まれたとしか思えないよ。

僕のチャァムポイントは、この顔。キライなところも、この顔。
ちょっと、一見29には見えないんだよね。
学生と間違われることなんか日常茶飯事さ。
・・・あ、ちょっと待って、ここに資料が・・・

『かなりのくせ毛。いつもいろんな方向にハネてる。黙っていればパトロンもつきそうな顔立ち。しかし口を開けばかなり莫迦。笑うと子供が玩具を与えられたように嬉しそうに笑う。スラリとした体型のくせにかなりのオンチ。身を護る術は口先八寸のみ。度胸も状況によりにけり。はったりはかますがないときは全く無い』

・・・ちょっと、これってかなり酷いんじゃ・・・?
僕にだって、人並みに生きる権利ってあると思うよ。
ああ、星のもある。
星は、春賀星。はるか、つつじ。ほし、と書いてつつじ。
誰がつけたの?

『助手。兼、秘書兼、雑用、生活一般。隣国に留学中に何故か武術を学んで来てしまった自称17歳。アジア人に見られるはっきりとした顔立ちだが、自分より弱い男に興味はない。自分より強い男が好き。しかしそんな男はいない。常に冷静で探偵の突っ込み役である。自分の部屋はあるが、探偵の世話でほとんど一緒に生活中』

・・・これも、どうですか?
僕、独りでだって生きていけるよ!
あ、でも、この自称の歳・・・これは僕にも解からないなぁ。
だって、出逢ったときから歳をとらないのだもの。
どうして?

僕は独りで気楽に生活しているつもりなんだけど、生活する上で、お金ってとっても大切だと思うんだ。
だってお金が無いとお腹も膨れないし、住む場所もないし、欲しいものも手に入らない。
僕は探偵なのだけど、実際・・・ぶっちゃけ、探偵の仕事って・・・
儲からないんだよねぇ。
「良心会計」
これ、僕のモットォ。
だって、お金がないのって、とってもよく解かるんだ・・・
だから僕は違う仕事もする。
それが、何でも屋。
その名の通り、何でもするよ。
日銭も稼ぐし、定期的に働いたりもする。

そんな生活をしている僕に、一件の依頼。
そこから今回の物語が始まる・・・




to be continued...



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