幸い  8




僕の願いを、聞いてくれた。
最初は啄ばむように、唇が触れて、何度目かに触れたとき、噛み付かれたようなキスをされた。
深く入ってきた舌に、戸惑ったけど、逃げれない。
手が、優しく身体に触れてるから、恐怖もなくなってきた。
何度も絡められる舌に、息が苦しくなって、何故か身体が震える。
漸く離れた唇が、すごく濡れてて、僕はそれに見入ってしまった。
「・・・ごめん、も、止まんねぇから」
押さえつけるんじゃなくて、抱きしめられて、ベッドに倒れ込む。
重なったまま、手が僕の身体を這って、僕は息を詰める。
気持ち悪いでもない、怖いでもない、ぞくぞくした感覚が全身を襲って、

  どうしよう・・・

くっついた身体が凄く辛そうなのが、解る。
我慢してたの?こんなに?
どうしよう、嬉しい。
ドキドキして、気持ちが抑えられないよ。
ねぇ、好きって言って?
「・・・え、」
もう一度、言って?
そしたら、壊しちゃっても、僕、大丈夫だと思うよ?


fin



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