純情可憐  10




「な、・・・・・・・する?」
身体の上に跨りながらも、視線は定まらず落ち着きもない。
緊張しているのだ、と言われればそうなのかもしれないが、どういう意味の緊張なのかなんて、すぐに解かる。
まったくなめてくれたものだ。
気づかれないとでも思っているのか。
そんな遊びに乗ってやるつもりもない、とかわせば、拗ねたような顔で誘う。
逃げて見せるのが、誘惑していることに代わりはないのだ、といつになったら自覚するのか。
「ここが良いのか、ベッドが良いのか。それくらいは選ばせてやる」
「う、あ・・・っ」
ソファの上で子供のように膝の上に座らせて、背後からその膝を割った。
内側に手を滑り込ませて、ジーンズの上からでもついいつまででも触っていたくなる足を撫でる。
膝裏を取って片足を引き上げて、付け根に触れるか触れないかで手を引き返す。
「ん・・・っな、なつ・・・っ」
慌てて手をばたつかせて、手を止めようと抵抗してみせるけれどもう遅い。
「べ、ベッド! 向こうが、いい・・・っや、だ!」
「ここでも出来る」
「ちが・・・っん! やぁ・・・っ」
うなじに唇を這わせて、強く吸った。
細い身体をなぞって、胸の上に触れると心臓が大きく鳴っているのが解かる。
「堪らないな」
思わず、声が漏れた。
顔を染めて、緊張させたまま、どこか期待している幼さを残す身体。
自分がしているからそうなるのだ、と知れば、誰だって堕ちるだろう。
「・・・っな、にが・・・?」
不安を混ぜた目で振り返るのに、その視線も心地良い、と受け止めた。
抱いていた身体をソファに崩し、上から圧し掛かる。
ビクリと身体を震わせながらも、本気で抵抗などしていない。
これから、それを思うまま貪るのだ、と思えば、顔に笑みが浮かぶのも仕方ないことだ。
「知りたいか?」
全てのことが。
俺の全てのことが。
もう後戻りは出来なくなる。
それに気づいたのか震えるように首を振るのを、唇で抑えた。
言い忘れたが、拒絶は受け入れないからな。


to be continued...



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