愛情なんか欲しくない  4




出勤前だと言うのにベッドにいた。
ふらりとまた俺の部屋に帰ってきて、抱けと誘う。
溢れてきた涙を、感情なんかないと言い切って身体を求める。
「んっあっ、」
そう言うなら、泣かなければいいだろ。
俺なんかに抱かれて、こんなに喘いで、啼いて。
俺の腰に脚を絡めて、手を伸ばし身体を求める。
抱いて欲しいならいくらでも抱いてやるよ。
いつだって俺は、お前に従順だっただろうが。
求められた分だけ、抱いてやっただろう?
身体を抱きかかえて、膝に乗せた。
「あ、んん、」
そこで、気付いた。
今日は、他の男の匂いがしない。
どこから帰ってきたんだ?
俺の部屋に。


fin



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