やっぱり試練か幸いか





何度も指で慣らされて、解けてしまったそこに、新が押し込まれて、チナは体中で泣きながら、それを受け止める。
了解して、自分から誘ったものの、想像以上に新はチナを攻めてきて、チナは新にしがみついていることしか出来ない。
「あ、あぁ・・っ」
苦しそうな声を上げて、新がチナの敏感に感じてしまうポイントを押さえて、擦り上げる。
目から溢れる涙を止めることは出来ず、苦しそうに首を振って、
「や、いや・・・!」
新にしがみつく。
「え・・・」
新は正気に戻ったような顔をして、動きを止めた。
そのことに驚いたチナは、目を見開いて新を見上げる。
「なん、で・・・っ止めるの・・・っ」
泣きながら言われて、新は困惑してますます動けなくなってしまう。
「だ・・・って、いやって・・・」
「・・・もう、やだ!」
チナは泣きながら、その胸を叩いて詰った。
「え・・・ご、ごめん」
新は戸惑いを隠せず、しかし、今更止めることは出来ない。しかし、やはり、チナに嫌われることを嫌がって、このまましてはいけないのだろうか、と泣き始めるチナを覗き込む。
チナはその泣き顔で、ますます強く新を睨みつける。
「なんで・・・っ」
「え?」
「なんで、そうなの・・・?僕のこと、嫌いなの?」
「そん・・・なわけ、ないだろ!」
「じゃ、なんで・・・っいっつも、僕にばっかり・・・」
「ええ?」
チナの言葉の意味が解らず、新は首を傾げる。
「僕ばっかり、言わせて・・・!恥ずかしいこと、僕にだけ言わせて!僕だけ、欲しがってるの?なんで、僕だけ・・・酷いよ」
涙声で、詰られて、新は自分がますます大きくなるのを止めれなかった。
「んっ、あぁ・・・!」
「ごめ・・・」
新は、我慢できない、と律動を早めた。
チナはそれについて行くのも息が止まりそうで、ただ声を上げるしか出来ない。
息を詰めて、チナの中でいってしまった新は、大きく息を吐き出し、自分の下で、また肩で息を繰り返しているチナを見た。体中に力が入らないのだろう。
上気して、薄い紅色に染まったチナは、恐ろしいほどの艶を放っていて、新はまた、自分が意識するのを止められなかった。
「あ、あ・・・!」
「ごめん、止まんねぇ・・・」
謝りながらも、新の行動は強い。
チナの身体を、待ち焦がれていたように触れ、余す所なく自分の痕跡を残し、溜まっていた想いを遂げる。
「あ、あ・・・、や、も・・・っ」
息も絶え絶えに、チナが吐き出しても、新は止められなかった。
「ごめん、聞けない・・・!」
「んっん・・・っ」
一度出したせいで、チナの中で動く新の音が部屋中に響き、ベッドの軋む音と一緒にチナの耳に届く。
恥ずかしさに全身を染めながらも、新から手を離せない。
縋り付くことが出来るのは、新しかいないのだ。
新は、箍が外れたように、溜め込んだ欲望をチナに押し付けた。
チナが、全身で震えて、力が出なくなり、手を上げることすら出来なくなるまで、新は自分を抑えれなかった。


fin



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