拍手6 新婚劇場U 星天シリーズ



1 再会しました。

ソラ 「椿、久しぶりー」
椿  「・・・ソラ、うん、久しぶりだな」
ソラ 「お前、結婚したってほんと? 大学残ったんじゃなかった?」
椿  「結婚? うん、そうなるのかな。籍は入れられないけど一緒に住んでるし」
ソラ 「その・・・高校の後輩だって?」
椿  「うん、教えてたっけ?」
ソラ 「前に少し・・・聞いたことがあるような、花屋の、」
椿  「そう、伊織」
ソラ 「そっか・・・楽しいか?」
椿  「楽しいよ」
ソラ 「・・・なら、いいけど」


2 同級生なんですか。

伊織 「えっと・・・コンドウさん、ですよね」
統夢 「そうだけど?」
伊織 「椿さんと、同級生なんですよね? 大学で」
統夢 「ああ、途中から専攻が違うけど。俺よりソラのほうが仲が良かったはずだ」
伊織 「大学の・・・椿さんって、どんな感じだったんですか?」
統夢 「知らないのか?」
伊織 「・・・知らないほうが、ましだと思って」
統夢 「ふぅん・・・まぁ、河嶋は・・・・・あんなだろ」
伊織 「あんな、って・・・」
統夢 「あんなはあんな、だよ。今も変わらなきゃ、同じだよ」
伊織 「・・・・そうですか」


3 小説家さんですよね。

伊織 「あの・・・」
統夢 「なんだよ」
伊織 「小説家・・・さん、なんですよね? えっと・・・コンドー、ユメ、先生?」
統夢 「お前、わざとらしく言うなよ。フツーに読めよ。そのつもりで使ってる名前だぞ」
伊織 「・・・・やっぱり、そうなんスか」
統夢 「そうでなきゃ使うか、あんな名前。お前も使ってんだろうが」
伊織 「いや、まぁ・・・そうですけど、マナーですよね」
統夢 「他人相手ならマナーだろうが、河嶋相手ならエチケット、だろ」
伊織 「ああ、そうですよね」
統夢 「・・・お前、なに感心してんだ?」


4 本を読みました。

統夢 「お前、俺の本読んだことあるのか?」
伊織 「いえ・・・えっと、すみません、ないです」
統夢 「謝らなくてもいい。読みたいやつが読めばいいんだよ」
伊織 「そうですけど・・・コンドウさんはどうして、このジャンルを選んだんですか?」
統夢 「読んでも書いても楽しいからに決まってるだろ」
伊織 「ああ・・・・・・そうですよね」
統夢 「それ以外に理由はない」
伊織 「・・・面白いって、前に友達が言ってたのを覚えてるんですが」
統夢 「なに?」
伊織 「最近・・・本、出されましたよね、えっと・・・甘い罠?」
統夢 「読んだのか?」


5 エロかったです。

伊織 「・・・・椿さんの、鞄の中から・・・・見えてしまって」
統夢 「・・・・河嶋が?」
伊織 「・・・読んだんでしょうか」
統夢 「俺に訊くなよ、読んだんじゃねぇの。持ってるなら。しかし自分で買ったのか?」
伊織 「そこが、解らなくて・・・・自分で買ったんでしょうか? 何を知りたかったんでしょう」
統夢 「俺に訊くなっつってんだろ、」
伊織 「どんな内容なんですか?」
統夢 「女が泣いて喘いでる話だよ」
伊織 「・・・・解んないっすよ・・・」
統夢 「俺が知るか!」


6 最近どう。

ソラ 「最近調子どう」
椿  「別に・・・ケンカもしないし、変わりない」
ソラ 「ふぅん、お前がいいならいいけど」
椿  「ソラは?」
ソラ 「え?」
椿  「ええと・・・近藤、だっけ、元気なのか?」
ソラ 「・・・・まぁ、な」
椿  「小説を書いているんだろう」
ソラ 「・・・・・ああ、クソエロ小説をな」
椿  「いや、そんなに虚仮下ろすようなものでもなかった」
ソラ 「なんだって?」
椿  「結構面白かった」


7 感想は?

ソラ 「・・・・お前、読んだのか?!」
椿  「うん、新しいの、研究室の子が持ってて、貸してくれたんだけど」
ソラ 「・・・・・そういや、最近出してたな」
椿  「近藤はこんなこと、ソラにしてるのかなぁって思ったら、ちょっと羨ましかったけど」
ソラ 「・・・なに?」
椿  「なんか凄く、想像したら怖いけど良さそうだった」
ソラ 「・・・おいこら、椿? あれはされてるのは女だろ?!」
椿  「うん、だけど、近藤が書いてるんだろう?」
ソラ 「だけど・・・っど、どんな内容なんだ? 紐が出てきたり道具使ったり・・・?」
椿  「え? いいや? 主人公の男が、好きな相手を本当に気持ち良くさせようといろいろするんだけど・・・」
ソラ 「・・・ちょっと貸して」


8 読んじゃいましたか。

ソラ 「・・・・・・・」
椿  「なんか貸してくれた子が言っていたけど、近藤、書き方変えたらしいな」
ソラ 「・・・・・・・」
椿  「彼女をすごく良くしてやりたいって、その子が言ってたぞ、俺もいいな、と思った」
ソラ 「・・・・・・・」
椿  「近藤に、今度面白かった、って俺が言っていたって伝えておいてくれ」
ソラ 「・・・・・あんのクソエロ野郎・・・っ」
椿  「ソラ? どうした? なんか顔色が怖いぞ?」


9 学習するんですか。

伊織 「あんな本を読むなんて・・・」
統夢 「お前、作者前によく言えるな」
伊織 「・・・だって、全っ然、椿さんが考えてることが解んないんですよ!」
統夢 「俺だって解んねぇよ。あいつが考えてることは今も昔も」
伊織 「俺に何か不満があったのかな・・・女の子のほうがやっぱり」
統夢 「お前、鬱陶しい。悩むなら向こう行けよ」
伊織 「人事のような顔をしてますけど、コンドウさん、高畑さんがあれを読んで、何か言わないんですか」
統夢 「あいつ俺の本読まねぇし・・・・っと、なんだ?」
伊織 「・・・どうしたんですか?」
統夢 「なんか・・・背中がゾクっと・・・」
伊織 「何かの予兆ですか」
統夢 「んなこと・・・・・・考えさせるな」
伊織 「いいじゃないスか。一緒に不安になりましょう」
統夢 「なるか! お前と一緒に居たら暗くなる。ソラ連れて帰る」
伊織 「・・・・ご無事で」
統夢 「変な挨拶すんな!」


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fin



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